【完】オキナグサに愛を込めて


「エマちゃん、これどうぞ」

『ありがとうございます。イツキさん』


あの後車に乗せられ白虎の倉庫へ来た。
わたしにホットココアを持ってきてくれたのは白虎の副総長のイツキさん。


「エマ、怖かったよな……」

ヒロくんは大蛇の倉庫を出る時からずっとわたしの隣に居てくれて手を握ってくれていた。


『もう大丈夫…。みんなが来てくれたから』


「そうだな、クロサキには感謝してもしきれねぇよ」

『そういえば、どうしてわたしがあそこにいるって分かったの?』

「ユウキが教えてくれたんだ」

『ユウキさんが?』

「あぁ、クロサキは先に行った、俺達も向かうって言われて驚いた」


……レンさんは1人で来てくれたの?

「まさかエマと黒龍がここまで繋がってるとはな……」


『……どういう意味?』

まるで意味がわからないわたし。

「エマは俺の女だと思われてるだろ?それに、クロサキの事裏切ったと思っても不思議じゃねぇ。そんなやつチーム総出で助けに来るか?」

……確かにそうだ。
わたしが縛られてたあの部屋を出た時、倉庫の中や外にまで人で溢れていた。


タイガくんの姿もあったからきっと黒龍のみんなが来てくれてたんだ……。


『……嘘』

「嘘じゃねぇエマ」

『どうして……どうしてわたしのためにそんなこと……』

「なぁエマ、クロサキの事好きか?」

いつになく真剣な表情のヒロくん。
レンさんのこと好きかなんて、そんなの決まってる。



< 206 / 253 >

この作品をシェア

pagetop