【完】オキナグサに愛を込めて
荷物を纏めてレンさんの方へ向かう。
わたしが立ち上がったのを確認するとレンさんは扉を開けて外に出てしまった。
今しか伝えられないかもしれないのに!
わたしは急いでレンさんの後を追いかけた。
扉を開ける時
「またね〜エマちゃん!」
ってアキトさんの声がして、わたしは振り返って皆さんにぺこりと頭を下げて部屋を出た。
…またねって言ってくれた事が嬉しかった。
アキトさんって遊び人って言われてるけど、あの性格じゃ嫌でも人が寄ってくるのが分かった気がする。
『レンさ…クロサキさん待ってくださいっ』
足の長いレンさんは1歩が大きいのかわたしが挨拶している間に少し離れた所を歩いていた。