【完】オキナグサに愛を込めて


小走りで追いつくと不思議そうな顔でレンさんが振り返った。


『あ、あの。今日は本当にありがとうございました』


『わたし、今日のこと絶対忘れないです!』


『あ、あと、今日の走りもかっこよかったです!これからもお体に気をつけてください』


五月雨式に伝えるわたしに眉ひとつ動かさずにレンさんは聞いてくれた。


それでは…と告げ、倉庫の出口へ向かうと。


「待て。」


『え…?』


「送るって言っただろ?」


……送るって私のことだったの…!?


『送るって、てっきりユウキさんとかアキトさんとかだと…!?』


「はぁ?誰がアイツらを送るかよ」


はぁ?って言うレンさんは本気で嫌な顔をしていた。

そして、アキトさんって言った時、レンさんの眉がピクリと動いた気がした。


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