きっとこの恋は忘れない。

5話 突然の電話

満桜と解散してからすぐ病室に戻った。
毎日満桜に会うのが楽しみで入院生活も嫌じゃ無くなった。
誰にもバレないように病院を抜け出すのもすごく楽しくて

病室に戻って学校の課題をする
ずっと何時間も前からやってたみたいに平然と


「柳田さんまたどっか行ってたの??」

うわバレてたのか
この看護師の人は高橋さん
私の身の回りの補助をしてくれる人

「すいませんちょっと散歩に」

「んふふ満桜くんと会ってたんでしょ?ここ最近よくあってるよね」

看護師さんは笑顔でそう言った
嘘つかなくても全部わかってるよって顔に書いてる

てかなんで満桜のこと知ってるの

「なんで満桜のこと知ってるんですか?」

「満桜くんはね生まれた時からこの病棟にいたんだけどっ」

高橋さーん!ちょっと来てください!!

「はーい今行きまーす!!」


「ごめんね個人情報だからここまでしか言えないわ」

「あ、はい」

「満桜くん良い子だから仲良くしてあげてねじゃあまたね!」


と言い残して高橋さんは病室を出ていった

ほんとに満桜は生まれてからずっとここにいて学校も行けてないんだと、向こうの病院に移るくらい病気が酷いんだと、再確認出来た。これが、現実なんだ

それと同時に無邪気に笑う満桜の顔を思い出した適当に生きて適当に学校に行って自分がすごく醜い。行きたくても行けない人が居たのに私はこんな人間でいいのかなっ

涙が止まらない
できるなら変わってあげたい


とそこでスマホから電話がなった満桜からだった
ほんとずるいあの子

「りなちゃーん元気?あれ?泣いてる?」

「満桜っ」


普段電話なんてかけて来ないのにエスパーなの?


「なんかあった?ごめんね行けなくて」

「いやっなにもないよ気にしないで大丈夫」

「ほんとに?」
「なんかね、直感なんだけどリナちゃんが1人で病んでるかもしれないと思ってかけたんだけど当たりだったね」

「ずるいよっ」

「病んでる時のリナちゃん可愛いからねぇ素直だもん」

「バカ満桜っ!なら会いに来てよっ」

「、、、行きたいけどっ」

「ごめん嘘だよ」
「明日も会えるよね?また満桜に会えるよね?」

「会えるよ明日はゲーム持っていくから楽しみにしてて?ね?」

「っ、、子ども扱いしないで」

普段は年下に感じるのに今はすごくお兄ちゃんみたい


「なんだよ〜だって泣いてるリナちゃんは可愛いもん」
「リナちゃんさ何号室にいるの?」

「5階の705号室だけどなんで?」

「705!?俺が昔いたとこじゃん!!お化け出るよ!!」


「えええそんなほんとに?!そんな事言わないでよ!!」

「ぎゃはははは冗談だよぶわははは」

なんだこいつ

「リナちゃんは何でも信じちゃうんだからぁほんと面白いねぇ」

「本当はなんなのさほんとに嘘?!」

「嘘だよそこに俺がいたのはほんとだよ」

でも病状が悪化してそっちの病院に移ったなんて聞けるはずなかった

「リナちゃんカーテン開けれる?」

「なんで?」

「いいからいいから!開けてみて」

開けると目の前の病院から思いっきり手を振ってる人がいる
満桜だ
なんでこんなに嬉しいんだろう
この気持ちはなんだろう

「リナちゃーん俺の事みえるー?すごいでしょ!!俺の感が当たって良かった〜」

カーテンを閉める

「ん!ちょ!リナちゃん!!なんで閉めるのさぁぁ!!」

「あははっ面白っ」

「うわぁぁやっと笑ったねよかったぁ元気になった!」

「バカじゃないの」

こんな日常がずっと続けばいいのに

「ここずっと開けてるから寂しくなったら覗いてみてよ」

なんでこんなに優しいの
私は満桜に何もしてやれないのに

「寂しい時なんてない」

こんな自分がすごく嫌だ

「もー素直じゃないなーあ」

電話越しで看護師さんが満桜のこと呼んでる
もう終わらせないと

「明日1時に集合だからね、ばーか」

「はははっ間に合わせまーす!じゃあねリナちゃんおやすみ!!」

「ばいばい」

すごく楽しかった気づいたら涙なんて止まってた
満桜が居たら私の人生に色が着く
こんなに毎日幸せになったのはじめてだった
こんなにドキドキするのも、、はじめて
この気持ちに正直になるにはまだ時間がかかるみたい

明日早く会えるように今日は夜ご飯を食べてもう寝よう。
まだ7時だけど

その前にカーテンをもう一度開けて、、、



「ばか満桜っ」



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