蟀谷にピストル

ひらりと舞う、桃色の




春は、出会いの季節と言いますが、別れの季節でもあるんですよね。


「じゃあ、ばいばい」


そう言って私は、私から彼に背を向けました。

彼は後ろで、私を呼んでいます。
だけど、私は振り向けません。

私から背を向けました。しかし目頭が、とても熱い。痛い。要は、泣きそうなのです。
こんな顔じゃあ振り向けません。

だって私は、彼が好きなんだもの!


"ひらりとまう、ももいろの"

(それは、桜か、私の涙か、)
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