黒皇帝は幼女化した愛しの聖女に気づかない~白い結婚かと思いきや、陛下の愛がダダ漏れです~
もし本当にそうだとしたら面倒なことになる。女子のため皇位継承権はないが、火種になる可能性は十分ある。せっかく隣国との長い戦いが終わったというのに、次は内乱となれば、国力は弱まるばかりだ。これ以上無用な戦いが起こらぬよう、内政にも厳重に目を光らせる必要がある。
そういう意味でも今回の神託は渡りに船だった。
帝国の慣習として、皇帝の即位式と婚姻式は同時に行われる。大抵は皇子時代に決まっていた婚約者が皇后となるが、俺には婚約者はいなかった。
唐突に主君を失った有力貴族たちは、水面下で熾烈な権力闘争をくり広げてきた。
これまで後ろ盾のない側妃腹の第二皇子など誰も見向きもしなかったのに、ここぞとばかりに手のひらを返し、我が娘をと群がってきた。
どの家門から皇后を迎えるかは極めて難しく、どこを選んだとしても選ばなかったとしても、かなり面倒な事態になる。
側近らと共に頭を抱えていたとき、啓示が下った。
教皇の養女で大聖女が相手なら誰も口は出せまい。そう思った俺は神託を受け入れたのだ。
この子が火種になるとしたら、どうする。
腕組みをして眠る幼女を見おろしていたとき、いつになく大きなノックの音が響いた。「入れ」と返事をすると、侍従が転がり込んできた。
「どうかしたのか」
「恐れながら申し上げます! 皇后様がお倒れになって意識不明でございます!」
「なんだと!」
不測の知らせを受けた俺は、すぐにオディリアの元へと向かった。
そういう意味でも今回の神託は渡りに船だった。
帝国の慣習として、皇帝の即位式と婚姻式は同時に行われる。大抵は皇子時代に決まっていた婚約者が皇后となるが、俺には婚約者はいなかった。
唐突に主君を失った有力貴族たちは、水面下で熾烈な権力闘争をくり広げてきた。
これまで後ろ盾のない側妃腹の第二皇子など誰も見向きもしなかったのに、ここぞとばかりに手のひらを返し、我が娘をと群がってきた。
どの家門から皇后を迎えるかは極めて難しく、どこを選んだとしても選ばなかったとしても、かなり面倒な事態になる。
側近らと共に頭を抱えていたとき、啓示が下った。
教皇の養女で大聖女が相手なら誰も口は出せまい。そう思った俺は神託を受け入れたのだ。
この子が火種になるとしたら、どうする。
腕組みをして眠る幼女を見おろしていたとき、いつになく大きなノックの音が響いた。「入れ」と返事をすると、侍従が転がり込んできた。
「どうかしたのか」
「恐れながら申し上げます! 皇后様がお倒れになって意識不明でございます!」
「なんだと!」
不測の知らせを受けた俺は、すぐにオディリアの元へと向かった。