【番外編】イケメン警察官、最初から甘々でした。
6月15日、午後。

区役所で婚姻届の提出を終えたふたりは、
正真正銘、夫婦になった。

「提出、完了しましたー」

窓口の職員にそう告げられ、
美香奈と涼介はお互いを見つめ、
自然と小さな笑みがこぼれる。

静かに、でも確かな幸せが、胸の奥からじんわりと湧きあがっていた。

区役所を出て、車に乗り込むと、
美香奈はさっそくスマートフォンを手に取った。

……通知数、12件。

「……あ、美咲からだ」

画面を開くと、怒涛のようなLINEが並んでいる。

《いまどこ!?》
《何時に帰る?》
《今日、帰ってくるんだよね?》
《どこで式挙げるの!?》
《記念日写真は!?》
《ご飯どうするの!?》
《もう結婚生活スタートですかぁ!?》

ハート、花、祝福、ぴょんぴょん跳ねるウサギのスタンプ……
テンションの高いスタンプが次々と添えられていた。

「……すごい熱量」

苦笑しながら美香奈が吹き出すと、運転席の涼介がチラッと覗き込んできた。

「どうしたの?」

「……美咲の熱量がすごくて」

ふふっと笑いながら返信を打つ。

《これから帰るよ。すぐ家に着く》

送信すると、すぐに
《了解》
だけ返ってきた。

あまりにあっさりした返信に、思わず顔を見合わせて笑い合うふたり。

「……今、間違いなく家で構えてるね」

「うん。玄関前に花とか飾ってそう」

想像するだけで微笑ましくなる。

新しい人生のスタートに、
こんな風に騒がしくて、温かい仲間がいてくれることが、
何よりもありがたく、心強かった。

車はゆっくりと走り出す。
ふたりの“夫婦としての生活”が、今、はじまった。
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