天才悪女は嘘を見破る2〜王太子の教育係になったはずが溺愛されてます。すべてを奪った義妹一家は自滅しました〜ユアン再会編
 それから二カ月後、アンネがルシアンの執務室を訪ねてきた。

 第五騎士団の調査に協力していたテオドールも、この日は予定を開けて同席している。

 四人が集まったのは都市グラティム以来だ。
 久々の再会ということもあって、心ゆくまで話ができるようにルシアンが人払いをしてくれた。

「そうそうカーヴェル公爵家だけど、取りつぶしが決まったよ。これまで植物の研究一筋だったラングリッジ侯爵家が後釜になる」
「ラングリッジ侯爵なら適任ですね。バックマン公爵の縁戚ですし、不器用ですが真面目な方でしたわ」

 ルシアンの報告にアマリリスは大きく納得した。研究に夢中になりすぎてあまり社交に出ていないが、ラングリッジ侯爵なら信用できる。

 それに彼が研究している内容は植物に関するものだから、領地経営に活かせるだろう。

「アルマンド・カーヴェルの処刑も先日執り行われたから、もう脅威はない。妻子や孫たちは私財没収のうえ貴族籍を剥奪されたから、これからは平民として暮らすことになった」
「ふうん、一家丸ごと殲滅すればよかったのに。どうせ同じ思考の持ち主じゃない」

 アンネの言いたいこともわかる。

 領民の暮らしを見てもカーヴェル公爵家の一同は贅沢をやめなかったし、私財を確保することに執心していたのだ。

「王太子暗殺未遂にはかかわっていなかったから、平民に落とすのが妥当だ」

 テオドールはこういうところでも、誠実で感情に振り回されることがない。

 そんな兄を誇らしく思いながら、アマリリスはアンネに声をかけた。

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