幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話



「あの店にお礼に行かないか?」
と充悟に誘われ、晴乃たちは、最初に出会った台湾菓子の喫茶店に行った。

「あー、お久しぶりです~」
と言ったあとで、店長は笑い出す。

「いや~、やっぱり坂に幽霊が出たって評判でね。
 女の」

 それ、笑う話なんですか?
 怖い話では?
と晴乃は、きょとんとしていたが、店長は詳しくは語らなかった。

 今日は、あのうさぎの店員さんはいなかったのだが、たまたま、前座ったのと同じテラス席に案内される。

「風が冷たい。
 いい眺めですね」
と晴乃は笑ったが、充悟は浮かない顔をしていた。

「どうかしたんですか? 充悟さん」
「……実は、お前の親に結婚を反対された」

「えっ? ほんとですか?」
と晴乃は驚く。

「うちの親、そんなに私に興味ないと思うんですけど」

 いや、そっちか……と充悟は言った。
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