不良先輩とさぼり魔の少女。

彼女がほしい


今日は、大親友の萌乃と一緒にお昼ご飯を食べた。

萌乃はめちゃくちゃ可愛くて今すぐにでもアイドルになれそう。

「美零〜、どこで食べる〜?」

「屋上…とか?」

「美零、やっぱ屋上好きだね〜!いいよ!屋上にしよ!」


ガチャッ

「よっしゃ、今日は誰もいない。」

「いつもは誰かいるの?」

「ん〜まぁ一応」

あの噂の不良先輩ですよーって言いたかったけど、それを言ったらめっちゃ心配されるから言わない。



「それじゃ食べよっか!」

「ん」

私はそっけなく答えてから一緒に。

「いただきます!」

と、元気よく言った。


おしゃべりをしながら食べていると屋上の扉が開く音がした。


まさか…いや、違う人かもしれない、うん、

「あっれ〜、美零ちゃんじゃん!あと、お友達ちゃん?」

ああ、やっぱり、1番会いたくなかった。

しかも、なんか友達いるし。

「あ、これが蒼がよく言ってる、美零ちゃん?」

「そう、かわいいでしょ?」

うわぁ、さすが、そんな恥ずかしげもなく言えるなんて私にはできないわ。

「かわいいね。あ、俺の名前、一条理玖。よろしくね。」

「あ、よろしく…です。」

「ねーねー、そこのお友達ちゃんはなんて言うの?」

「春瀬萌乃です…!よろしくお願いします。」

やっぱ何回も思うけど、萌乃の名前かわいいよね。

「美零ちゃんたちって彼氏いないの?好きな人とか…」

えぇ、それ非リアの私に聞く…?なんか馬鹿にしてきそう…

「え、まぁ、いないですけど…」

「うん、そうだと、思った。そんな顔してる。」

「失礼ですね。蒼先輩。」

「萌乃ちゃんは?」

今度は一条先輩が萌乃に聞いた。

「私は、恋がわかんなくて…」

萌乃は恋がわからないらしく、告白されても、「恋がわかんなくて…」という理由で断ってるらしい。

「純粋だねぇ。」

「俺も、初心に戻りたい…」

先輩たちはどこか遠〜い目をしながらつぶやいていた。

「じゃーさ、俺が美零ちゃんの彼氏になる確率は?」

「1ぱーぐらい…?かな。」

「1ぱーあるんだ。」

「まぁ、一応?てか、先輩彼女いないんですか?」

「え。いないよ?」

非リア仲間だった…。案外いそうなのに。

「だから、俺美零ちゃんに惚れたから、彼氏になってもらおうと思って。」

はい?先輩が私に惚れた???

あ、待って一応この人女遊びしてるんだった。

「なりませんっ!絶対に!」

「えー、じゃあ好きにさせてあげるよ。」

毎回、こんな感じで色んな人を落としてそう…。

「遠慮させていいただきます。」

「蒼、振られてやーんの!笑」

「いやぁ、これ面白い展開になってきましたねぇ」

「全然、面白くないよ!」

と、ツッコミを入れる。

「てか、一条先輩は彼女いないんですか?」

一条先輩は案外いそー。

「元カノはいるよ〜。今はいない。だから、彼女ぼしゅーちゅー。」

あ、いなかった。

「じゃあ、好きな人は?」

萌乃は興味津々で聞く。

「いない…かなぁ」

「えーいたら応援してあげたのに…」

「え、応援してくれんの?」

と、会話に蒼先輩が乗り込む。

「いいですよ〜」

「じゃあ、美零ちゃんと俺を応援して!」

「おけでーす」

おけでーすじゃないよ!萌乃!私、蒼先輩と付き合う気ないんだけど、なんならちょっと苦手…。

キーンコーンカーンコーン

「あ、チャイムなったわ。」

「それじゃ、美零ちゃん、萌乃ちゃんまたね〜」

蒼先輩が甘ったるい声で言う。ほんっとうに甘ったるい。私はあの声が苦手だ。
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