【ピュア青春BL】幼なじみの君と、ずっとミニトマトを育てたい。
 僕たちは、徒歩で十五分ぐらいの距離にある駅前まで一緒に向かった。前を歩く律くんの背中から視線をそらすのがなんだかもったいなくて、ずっと背中を見ていた。
 
 今、制服のポケットに律くんからもらった封筒が入っている。鞄の中に入れようかなとも考えたけれど、肌身離さず持っていたかったから。中身がすごく気になる。もしかして、僕が書いた手紙の返事なのかな? 封筒を開けるタイミングがみつからない。本人の目の前で開けるのも気が引けるし。

というか、さっき学校で話しかけてくれた――。家の前では挨拶を交わしてくれるけれど、学校では挨拶もしない。いや、でもこれは話しかけてくれたうちに入るのかな?

 早く手紙が読みたい。こうやって、一緒に歩けることが嬉しい。今、カラオケが嫌な気持ちよりも、その気持ちたちの方が、強い。



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