【ピュア青春BL】幼なじみの君と、ずっとミニトマトを育てたい。
律くんの歌が流れ始めた。穏やかなピアノのイントロが部屋に響く。律くんはマイクを握って、座ったまま歌う。律くんが歌い始めた瞬間、僕は息を呑んだ。
普段の無表情な律くんからは想像できない、甘くて柔らかい声。歌が上手くて、すごく気持ちもこもっていて完璧だった。この歌を練習したのかな? でも律くんなら、練習しなくても1回聞いただけで歌えそう。僕は律くんの歌に聞き惚れて泣きそうになったけれど、泣くのを我慢した。
律くんが歌い終わると、部屋は一瞬静まり返った。袴田くんが「律、歌上手いじゃん!」と褒め、みんなは盛り上がる。だけど律くんはいつものように無表情で頷く。律くんが僕の方をちらっと見て、すぐに視線を外した。
――律くん、助けてくれてありがとう。
僕は何回もお礼を心の中で唱えた。
このまま空気のようにいない存在になって、歌わないで上手くやり過ごせるかな?と思っていたけれど……。
しばらくすると「綿谷くん、だっけ? まだ歌ってないよね、何歌う?」と、僕の向かいに座っていた派手めで綺麗な女の子が話しかけてきて、タブレットを差し出してきた。気を使って話しかけてくれたっぽいけれど、話しかけないでほしかった。歌うの拒否して場が冷めてしまうのも嫌だし、今度こそ歌わないとな……。歌うことを考えていたら心臓がバクバクしてきた。
――どうしよう。
普段の無表情な律くんからは想像できない、甘くて柔らかい声。歌が上手くて、すごく気持ちもこもっていて完璧だった。この歌を練習したのかな? でも律くんなら、練習しなくても1回聞いただけで歌えそう。僕は律くんの歌に聞き惚れて泣きそうになったけれど、泣くのを我慢した。
律くんが歌い終わると、部屋は一瞬静まり返った。袴田くんが「律、歌上手いじゃん!」と褒め、みんなは盛り上がる。だけど律くんはいつものように無表情で頷く。律くんが僕の方をちらっと見て、すぐに視線を外した。
――律くん、助けてくれてありがとう。
僕は何回もお礼を心の中で唱えた。
このまま空気のようにいない存在になって、歌わないで上手くやり過ごせるかな?と思っていたけれど……。
しばらくすると「綿谷くん、だっけ? まだ歌ってないよね、何歌う?」と、僕の向かいに座っていた派手めで綺麗な女の子が話しかけてきて、タブレットを差し出してきた。気を使って話しかけてくれたっぽいけれど、話しかけないでほしかった。歌うの拒否して場が冷めてしまうのも嫌だし、今度こそ歌わないとな……。歌うことを考えていたら心臓がバクバクしてきた。
――どうしよう。