【ピュア青春BL】幼なじみの君と、ずっとミニトマトを育てたい。
言葉を詰まらせていると、律くんが小さな声で言った。

「歌わなくていいよ。俺がもう一曲入れるから」

 僕の代わりに再びタブレットを受け取ってくれて、さらに「これ歌い終わったら、バスの時間なくなるから俺と綿谷、先に帰るから」と、律くんが周りに伝えてくれた。バスの時間はまだあるのだけどなと思いながらも、僕は律くんの言葉に合わせて申し訳ないですという表情をしながら、周りにお辞儀した。

 苦痛な時間の終わりが一気に近づいてきて、僕はほっとすると同時に、律くんの優しさに胸が締め付けられた。最近は律くんと交流はないけれど、小さい時と変わらず今も僕に優しい。隣で歌っている律くんの優しさを意識すると、強めの歌を歌っていたけれども、ふわふわな優しい律くんのオーラがこっちに漂って来て、僕を包んでくれている気がしてきた。

 そして歌い終わった律くん。
 はぁ、この歌を歌う律くんもカッコよくて素敵だったな――。

「じゃあ、俺ら帰るわ」
「また明日ね!」

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