チャラい社長は私が教育して差し上げます!
社長と帰郷
翌朝、私は社長の腕枕に頬を寄せ、昨夜の激しかった営みの余韻に浸っていた。

「社長、今日のご予定は?」
「ん? 何もない。舞とずっと、こうしていたい」

「承知しました」

社長とこんな風になれるなんて、まるで夢を見ているみたい。

その時、テーブルに置いた私のスマホから、着信音がけたたましく鳴り響いた。すぐに手を伸ばしてスマホを取ると、父からの着信だった。本当はベッドから離れて着信に応じたいところだけど、裸なのでそれは出来ない。

「声を出さないでくださいね?」
「おお、大丈夫だ」

社長に念を押し、私は電話に出た。

「お父さん、おはよう」
『おお。彼氏に聞いたのか?』

「まだ。って言うか、急には無理だよ」

『やっぱり彼氏なんていないんだろ? あの話を進めてもいいな?』

「あの話って……ああ、お見合いだよね?」

『後で田中の画像を送るから、それを見て考えなさい。嫌なら断るから』

なるほど。画像が送られて来たら、速攻でお見合いを断ればいいのか。それなら社長にも迷惑は掛からないわ。という事で、

「うん、わかった」

と父に言ったら、

「ダメだ!」

突如、社長はそう怒鳴り、私の手からスマホを奪い取ってしまった。そして、社長は私のスマホに向かい、

「お義父さん」

って言った。お義父さん?

「舞に見合いはさせません」

あちゃー。
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