【超短編】今更だけど。
ずっと、好きだった。
多分、小四のときくらいだと思う。
好きな子が出来なかったのは、葵しか見てなかったから。
サッカーも、勉強も、全部、葵にかっこいいって、思われたくて、無我夢中で頑張ってた。
行く高校も、わざと葵に早めに伝えた。
葵と一緒の高校に行きたかったから。
でも僕は、バカだから。分からなかった。
『私、えーくんが頑張ってるところ好きだよ』
葵と隣を歩くときに、止まらない胸の高鳴りの理由が、ずっと、分からなかった。
『えーくん、今日顔赤いね、大丈夫?』