【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。
旅行当日。
軽く荷物をまとめた美香奈は、涼介と一緒に家を出た。
車に乗り込むと、涼介はハンドルを握りながら、ちらりと美香奈に微笑みかける。
その横顔に、何かを隠しているような、どこかそわそわした様子が見え隠れしていた。

(──何か、あるのかな?)

美香奈はそんな彼を横目で見つめながら、静かに胸を弾ませる。
ただの旅行じゃない。
フォトウエディング。
そう思うだけで、心の奥が温かくなる。

空港に着き、飛行機で神戸へ向かう。
到着後、タクシーで向かったホテル──神戸ルミエールスイートホテルは、美しい外観と、華やかなシャンデリアが目を引いた。

「ここ、すごく綺麗……」

思わず漏れた美香奈の声に、涼介は嬉しそうに微笑む。

「気に入ってくれてよかった。」

チェックインを済ませたあと、ふたりはホテル内のラウンジへ。
大きな窓からは、静かな海が一望できた。
さっきまでの慌ただしさが嘘のように、心がふわりとほぐれていく。

「この景色、すごく綺麗だね。神戸に来てよかった。」

隣に座る涼介に向かって、美香奈は自然と声を漏らす。
涼介はそっと彼女の手を取った。

「……ここで、君と過ごせることが、俺もすごく嬉しい。」

その言葉に、美香奈は照れたように笑い、小さく頷いた。

──これから始まる特別な時間を、大切に抱きしめるように。
< 29 / 88 >

この作品をシェア

pagetop