【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。
レストランに到着すると、美香奈は一瞬足を止めた。
テーブルには、涼介の両親、長谷川夫妻、そして法律事務所の上司である真木良太郎がすでに揃っていたのだ。

「えっ……みんな……?」
思わず声が漏れる。美香奈は涼介の方を振り返った。

「これ……どういうこと?」

涼介はどこか照れくさそうに笑って、そっと答えた。
「サプライズディナー。特別な日に、君にちゃんと“ありがとう”を伝えたくて。」

美香奈の目に、ふっと涙が滲む。
「……ありがとう、涼介。ほんとに……」

「たくさん頑張ったからさ。これからは、もっと笑って、思い出いっぱい作っていこう」

そう言って差し出された手を、美香奈は両手で包むように握り返した。
周囲の笑顔に包まれて、テーブルの空気は、どこまでもあたたかかった。
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