【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。

姿見の前に立ち、そっとワンピースの裾を整えてから、美香奈は寝室を出た。

リビングで待っていた涼介が、ふと顔を上げた瞬間――その動きが止まった。

「……本当に、美香奈が着ると、このワンピースが何倍も素敵に見えるな」

声を潜めるようなその言葉に、美香奈は思わず視線を落とし、頬を赤らめた。

「ありがとう、涼介……なんだか、今日は特別な日みたい」

「もちろん、そうだよ。美香奈のために考えたことだから。君が笑ってくれたら、それだけで、俺も嬉しい」

涼介の言葉に、美香奈は心の奥から温かさがこみ上げてくるのを感じた。

二人は身支度を整え、ホテルの廊下を並んで歩き出す。
涼介がそっと手を差し出すと、美香奈は迷わずその手を握った。

「じゃあ……ディナーに行こうか」

歩みを進めながら、美香奈はふとつぶやいた。
「でも……本当に、今日はなんだか特別だね」

少しだけ不安を含んだその言葉に、涼介はすぐに目を合わせ、柔らかく微笑んだ。

「心配しないで。全部、美香奈のために準備したサプライズだから。きっと気に入ってもらえると思う」

その言葉に、美香奈は不安がふわりと解けていくのを感じながら、涼介の手をぎゅっと握り直した。

並んで歩く足取りは、これから始まる特別な夜へと、ゆっくりと、でも確かに向かっていた。