【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。

袖が余るくらいがちょうどいい

久しぶりに訪れた、ふたりきりの休日。
少し遅くまで眠ってしまった涼介は、ぼんやりとした頭でリビングへ向かう。

そこで目に入ったのは、机に向かい、真剣な顔で針と糸を動かしている美香奈の姿だった。
彼女は、涼介のパーカーをだぼっと羽織り、袖が少し余っている。
その無防備な可愛さに、涼介は思わず足を止めた。

「……なんで、それ着てるの?」
涼介が苦笑しながら声をかけると、美香奈は顔を上げずに、シャツに針を通しながら答えた。

「だって寒かったんだもん。ちょうどそこに置いてあったし。」

返事を聞きながら、涼介はたまらなくなった。
すっと近づくと、そのままパーカーごと美香奈を後ろからぎゅっと抱きしめる。

「ちょ、ちょっと……! ボタンつけてるんだから、やめてってば。」
美香奈は笑いながら小さく抗議するが、涼介は全く離れる気配を見せない。

「だって……ここに、俺のパーカーがあったからさ。」
低く甘い声でそう言うと、さらに抱きしめる腕に力を込める。

美香奈は小さくため息をつきながらも、涼介の温もりに背中を預けた。
こんな何気ない瞬間が、たまらなく愛おしかった。
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