【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。

涼介は、美香奈をぎゅっと抱きしめながら、ふと思った。
──美香奈が俺のパーカーを羽織るのは、たいてい、不安なときだった。

この間、過去の事件について話してくれたばかりだ。
もしかしたら、また心の奥でざわついているんじゃないか──。
そんな思いが胸をかすめた。

そっとパーカー越しに背中を撫でながら、涼介は何気ない声色を装い、さりげなく尋ねた。

「……大丈夫？」

すると、美香奈は手を止め、ふっと小さく微笑みながら答えた。

「うん。涼介がいるから、大丈夫だよ。」

その穏やかな声に、涼介の胸にあった小さな不安も、ゆっくりとほどけていく。
彼女の強さも、優しさも、そして信頼してくれる心も──すべてが愛おしい。

「そっか。」
涼介はそっと美香奈の髪に口づけ、柔らかく囁いた。

「……じゃあ、今日は一日、ゆっくりしよう。」

美香奈は小さく頷き、二人はゆるやかに重なる心地よさを、静かに確かめ合った。