【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。
弁護人が続けて立ち上がった。
「被告人は深く反省しており、二度とこのようなことはしないと誓っております。
また、被害者に対して謝罪の意思を持ち、示談の申し入れも行いましたが――」
弁護人はそこまで言ったあと、
ちらりと検察官側に視線を向けた。
「……被害者側の意向により、示談は成立しておりません」
法廷内が、微かな緊張に包まれる。
(当然だ――)
涼介は心の中でそう呟いた。
そして、隣にいる美香奈の、ほんのわずかに震える肩に気づく。
次に読み上げられたのは、
美香奈が提出した「被害者意見陳述書」だった。
検察官が、厳粛な口調で代読する。
『私は、被告人を決して許すことができません。
あの日以来、平穏だった日常は壊され、
暗闇と恐怖に怯える日々を過ごしました。
事件後も、夜中に目が覚め、度々パニックを起こすことがありました。
それでも私は――』
美香奈は静かに目を閉じた。
そして小さく、深く、呼吸を整えた。
(私は、生きている。支えてくれる人たちと、未来を歩んでいくために。)
検察官の読み上げる声が、澄んだ空気に響いていた。
「被告人は深く反省しており、二度とこのようなことはしないと誓っております。
また、被害者に対して謝罪の意思を持ち、示談の申し入れも行いましたが――」
弁護人はそこまで言ったあと、
ちらりと検察官側に視線を向けた。
「……被害者側の意向により、示談は成立しておりません」
法廷内が、微かな緊張に包まれる。
(当然だ――)
涼介は心の中でそう呟いた。
そして、隣にいる美香奈の、ほんのわずかに震える肩に気づく。
次に読み上げられたのは、
美香奈が提出した「被害者意見陳述書」だった。
検察官が、厳粛な口調で代読する。
『私は、被告人を決して許すことができません。
あの日以来、平穏だった日常は壊され、
暗闇と恐怖に怯える日々を過ごしました。
事件後も、夜中に目が覚め、度々パニックを起こすことがありました。
それでも私は――』
美香奈は静かに目を閉じた。
そして小さく、深く、呼吸を整えた。
(私は、生きている。支えてくれる人たちと、未来を歩んでいくために。)
検察官の読み上げる声が、澄んだ空気に響いていた。