【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。
「お疲れ様、美香奈さん」

真木弁護士が優しく声をかけると、美香奈はにっこりと笑った。

「ありがとうございました……ここまでこれたのも、真木先生と、涼介くんのおかげです」

涼介は肩を竦めて笑う。

「俺はただ、隣にいただけだよ。
美香奈が、自分の力でここまで来たんだ」

美香奈は、涼介の手をぎゅっと握った。

(違うよ。あなたが隣にいてくれたから、私は……)

胸の中で言葉にしながら、そっと涼介の肩にもたれた。

そのとき、通り過ぎた風が、金色の木の葉を一枚、ふわりと舞い上げた。

真木弁護士は腕を組みながら、ふたりを見守る。

「これからだな。人生は」

その言葉に、美香奈も涼介も、笑顔で深く頷いた。

――これからは、ふたりで。

もう、恐れるものなんて何もない。

未来へ続く道を、歩き出す準備は、もうとっくに整っていた。
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