【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。
「じゃあ……俺たちの子どもたち、同級生ってことか?」
ふと長谷川が言った。

その言葉に、みんなが顔を見合わせる。

「本当だね!」
美咲が笑顔でうなずき、美香奈も「同じ学年になるかも」と楽しそうに声を弾ませた。

「なんかすごいな。親同士が友達で、子どもたちも同級生なんて」
涼介がにやりと笑い、康太も「うちの子、絶対面倒みいいから任せとけ!」と冗談めかして胸を叩く。

わいわいと未来の話に花が咲く。

「運動会、一緒に応援行かなきゃね」
「参観日とか、みんなでこっそり見に行きそう」

子どもたちの運動会、発表会、誕生日パーティー……
想像するだけで、自然と笑顔があふれた。

ふと、涼介が優しい表情で美香奈の方を向き、そっと手を伸ばした。
長谷川も、それを見て美咲の手を取る。

そして、それぞれの夫たちが、愛おしそうに妻のお腹にそっと手を当てた。

「元気に生まれてこいよ」
「お父さんもお母さんも、ずっと待ってるからな」

低く、優しい声で、愛を込めて囁く。

美香奈も美咲も、目を細めながらその手を上から重ねた。

静かな、けれど温かな時間が、神谷家のリビングいっぱいに満ちた。
これから始まる新しい命との生活を、誰もが心から楽しみにしていた。
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