【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。
食事もひと息ついた頃、長谷川が、そわそわと落ち着かない様子でテーブルの端を指で叩いていた。
それを見た美咲が小さくうなずき、康太の背中をそっと押す。

「えっと……」
長谷川が立ち上がり、みんなの視線を集めた。

「俺たち、家族がひとり、増えることになりました!」
弾けるような笑顔で、声を張った。

一瞬の沈黙のあと、リビングに大きな歓声があがった。
「ええーっ!本当に!?」
涼介が身を乗り出し、美香奈も両手を合わせてぱんと音を立てた。

「すごい、おめでとう!!」
「やったな、康太!」
涼介が思わず長谷川に拳を突き出し、力強くタッチする。

長谷川は照れくさそうに、でも嬉しそうに笑いながら、美咲と顔を見合わせた。
美咲もまた、ほんのりと頬を赤らめながら、幸せそうに微笑んでいる。

ひとしきり拍手と祝福の言葉が飛び交ったところで、美香奈が涼介とちらりと目を合わせた。
涼介が、やる?というように小さく頷く。

「えっと……」
今度は美香奈がゆっくりと口を開いた。

「実は、私たちも……家族が増えることになりました」
声を震わせながら、そっと伝えた。

「ええーーーー!!!」
一瞬、リビングが爆発したような歓声に包まれる。
美咲が「やっぱり!」と叫び、涼介は満面の笑みで美香奈の肩を引き寄せた。

康太も「マジか!ダブルだな!」と手を叩き、
美咲は目をうるませながら「嬉しい……!」と美香奈に駆け寄り、ぎゅっと抱きしめた。

神谷家全体が、喜びで震えるような熱気に満たされる。
笑い声と、祝福の言葉と、拍手が途切れることなく続いた。

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