幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?

青天の霹靂

どうにもならない気持ちを抱えたまま3学期を迎えた。
そして、ある噂を聞いて、オレは驚愕した。
沙菜の木田が別れたらしい。

耳を疑った。
本当に?
マ、マジなのか?
一体いつ?

放課後、たまらずオレは木田を捕まえた。

「木田、沙菜と別れたって本当か?」

「本当だよ」

なぜか睨まれる。
そんなことはどうでもいいけどな。

「ちょっと来い」

オレは木田を人気のない場所まで引っ張った。

「どうしてだよ!」

適当な場所で手を離し、問い詰めた。

「どうしてって?」

「おまえが振ったのか?」

少し躊躇してから頷く木田。

「なんでだよ!」

語気が荒くなるのを止められない。
沙菜と木田が本当に別れたなら、オレにとって嬉しいことのはずなのに、怒りの感情が沸いてくる。

「北河には関係ないだろ」

木田はふっと目を逸らした。

「沙菜は木田が好きなんだぜ!」

オレは何を言ってるんだろう。
ただ、沙菜の気持ちを考えたら、木田が許せないと思った。

「北河、何もわかってないんだな」

「なんで振ったんだよ!」

「イメージと違ったからだよ」

「はぁ!?なんだよ、その理由は!」

ギロリと睨みつけられる。
木田はオレが知らないような冷たい目をしていた。
< 116 / 134 >

この作品をシェア

pagetop