この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
「どうせまだあいつのことが好きなんだろ?」

 図星を指されて、言葉に詰まる。

 あいつというのは三日前に別れた恋人のことではない。明日香がずっと片想いをしている相手のことだ。

 慶介はその人のことも、明日香が片想いを続けていることもよく知っている。こうしてわざわざ尋ねずとも、答えはわかっているのだ。

「……だったら、なによ」
「毎回同じことになるんだったら、無駄な足掻きはやめろ」

 確かに無駄なことをしているのかもしれない。好きでもない相手と交際をして、結局は上手くいかずに別れている。

 それでも苦しい片想いを捨てるためにはやるしかないのだ。これ以外の方法が明日香にはわからないから。

「同じことになるかどうかなんてわからないじゃない……次は上手くいくかも」
「上手くいったためしがないから言ってんだよ。相手にも失礼だろ」
「それは……まあ、そうね……」

 あまりの正論にただ認めることしかできない。別れるたびにこうして反省会を開くのも、相手に対する罪悪感があるからだ。好きになれなかったことが申し訳なくてたまらない。

「無理に忘れようとしてる時点で、忘れられるわけがないんだよ」

 その言葉が明日香の胸に深く突き刺さった。
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