この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
「ありがとう。嬉しい。私が恋人だって言ってくれて嬉しかったよ」
「そうか。それならよかった」

 彼の優しい声音が、明日香に大きな希望を抱かせてくれる。

「ねえ、慶介」
「ん?」
「今度、慶介に話したいことがある。大事な話だけど、まだちょっと勇気がないから、私が話せるようになるまで待っててくれる?」

 あんな出来事があったばかりで、今はちゃんと冷静になれているとは言い難い。

 それに、明日香には考えなければならないことがほかにもあるのだ。本当の恋人を望むなら、そのことは絶対に考えておかなければならない。

 しっかりと自分の中でどうしたいかの結論を出してから、慶介と本当に向き合おう。

 明日香のそんな決意に、慶介は最上の言葉を返してくれる。

「いいよ。なんの話かはわからないけど、ちゃんと待つ。だから、あまり悩みすぎるなよ。言いたくなったら言ってくれればいい。俺はいつでも明日香のそばにいるから」
「ありがとう、慶介」

 きっと近いうちにこの想いを打ち明けよう。そうして二人でこの恋を実らせたい。

 そんな希望を抱きながら、明日香は甘えるように慶介に寄りかかった。
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