この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
第八章 言霊の証明結果

1. 思い上がりを知る

 矢沢が起こした騒動からしばらくの時が経ち、商品開発部には平穏な日々が訪れた。

 矢沢はあの日以来会社に来ることはなく、いつの間にか自主退職していた。彼女が今、どうしているのかはわからない。

 誰も彼女の話をすることはなく、皆、淡々と己の業務をこなしている。それは矢沢の取り巻きだった人らも同様で、今は明日香になにかを言ってくることはない。

 明日香の悪い噂も自然と消え、随分と働きやすい環境へと変わった。

 慶介とのことに関しては、交際宣言直後はいくらか視線が痛かったものの、それももう落ち着いている。

 とても穏やかで充実した日々だ。

 そんな穏やかな日々の中で、明日香は自分の将来について見つめ直し、少しずつ彼へすべてを打ち明ける決意を固めていった。

 明日、慶介と会ったときに、胸に宿るこの想いを告白するつもりだ。

 だが、その前に、今日は奈菜との楽しいデートがある。気を抜くと慶介のことを考えてしまいそうになるが、奈菜といるときばかりは友人との時間を楽しみたい。

 明日香は待ち合わせ場所へ向かう道中、奈菜との時間に思いを馳せた。
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