この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~

2. 今度は諦めない side慶介

 これはなんの冗談だろうか。悪い夢でも見ているのだろうか。

 明日香から送られてきたメッセージを前に、慶介は愕然としている。

 なにしろそのメッセージには到底受け入れられない内容が書かれていたのだから。

『慶介、今までありがとう。実験は今日で終わりにしよう。これからはまた友達として接してほしい。私の我儘にたくさん付き合わせてごめんね。でも、すごく嬉しかったよ。すごく、すごく楽しかった。おかげで納得のいく実験結果を得られたと思ってる。ちゃんと希望が持てたよ。本当にありがとう、慶介』

 突然の関係終了の知らせに呆然としてつぶやく。

「なんなんだよ、これ……」

 受け入れがたいメッセージに体が強い拒絶反応を示しているのか、耳鳴りがして音がなにも入ってこない。視界も極端に狭くなって、目の前のスマホの画面しか見えなくなる。

 血の気が引き、凍えそうなほどの寒さを覚えたかと思うと、今度は心臓が激しく脈打ち始め、心拍数が急上昇する。

 息ができなくなりそうなほど苦しい。慶介は胸に手を当てながら、絶望の声を漏らす。

「終わりってなんだよ……今さら友達って、なに言ってるんだよ……」

 慶介と明日香の関係はまだ始まったばかりだ。想いを通わせ合った二人は、これからもっと幸せになっていくはずだった。

 それなのに、なぜ終わらせなければならないのだろうか。

 慶介は終わりじゃなくて、ここからさらに新しい関係を始めるつもりだった。もっと深く愛し合える関係に進めると思っていたのに、それは独り善がりな考えだったのだろうか。

 明日香からの想いは確かに感じていたし、慶介もちゃんと明日香のことを愛していた。どうしてこんなことになっているのか、さっぱり理由がわからない。

 明日香の願いならばなんでも叶えてやりたいが、この願いだけは絶対に聞き入れられない。

 すぐに明日香を説得しなければと、スマホを操作して明日香に電話を繋ごうとするが、タイミング悪く別の人間から電話がかかってきた。
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