この好きが本当になるまで ~腐れ縁の友人と嘘の恋を始めたら~
「嬉しいです。そんなにもうちの味噌を気に入っていただけて。ありがとうございます」
「お礼を言うのはこちらです。素晴らしいものに出会わせていただいて、とても感謝しています」

 二人で優しく微笑み合う。同じものを愛する者同士、気持ちが通じ合っているのがわかる。

「明日香さん、私たちは志を同じくする者です。二人とも如月味噌を守りたいと思っている」

 大切なことを言おうとしている平山に、明日香は「はい」としっかり相槌を打つ。

「今日お話ししてみて、私たちの相性はとてもいいと感じました。二人で力を合わせれば、きっと如月味噌を盛り立てていくことができる。互いに愛し合う関係にもきっとなれる。私はそう思います」

 もう一度「はい」と頷く。

「私はあなたと結婚して、ともに如月味噌を守っていきたいと今強く思っています。明日香さんはどうですか? 今の率直な気持ちを聞かせてください」
「私は――」

 明日香は嘘偽りない気持ちを平山へと述べる。

 たった二時間ほど一緒にいただけだが、明日香にはそれで十分だった。明日香の中でもう答えははっきりと出ている。

 その答えを、平山は優しい笑顔で受け入れてくれた。

 今このときから新しい道を歩いて行けると、明日香は強く確信していた。
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