極上御曹司からは逃れられない運命でした
もっと普段通りにしてくれよ。

ただでさえ凛花は緊張してるんだぞ。

家がこんなだから凛花は俺との仲に線を引こうとした事もあった。

これじゃまた不安になるかもしれない。

「凛花さん、初めまして。父の康一だ。こっちは、妻の歩美」

親父が堅い表情のまま話し出す。

「初めまして。藤田凛花と申します」

凛花は笑顔で自己紹介をし、綺麗にお辞儀をした。

てっきりビビり散らかすかと思ったが、案外平気なようだ。

ここでも凛花の意外な一面を見た気がした。

凛として気丈な振る舞い。

でも思い返せば凛花は二人きりの時と、こうして人前に出る時とでは雰囲気が変わる。

レストランなどで俺の隣を歩く時は淑女そのものだ。

「ずいぶんお綺麗なお嬢様ね」

お袋も澄ましてそんな事を言う。
おい、なんか感じ悪いぞ。
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