極上御曹司からは逃れられない運命でした
「大変恐縮です。でも嬉しい。お母様のような素敵な方にそう言って頂けるなんて」

そう言って凛花はにこやかに笑う。

それにはお袋も驚いた顔をして親父を見上げる。

「お、俺はどう? 格好いい?」

は?

これまで格好付けていた親父が馬鹿な事を言い出した。

凛花もそんな親父に驚いている。

「え? あ、はい、とても…」

するとお袋がすかさず親父に肘で突つく。

「あなた! クールな男はそんな事聞かないのよ? 格好つけるって言ってたじゃないの!」

お袋はヒソヒソと話してるつもりだろうが丸聞こえだ。

「え? そうなのか? お前だけ褒められてズルいぞ。俺も凛花ちゃんに褒められたい」

そして親父も。

二人のヒソヒソと話す会話を聞いて凛花は唖然とする。

そりゃそうだ。
さっきまで寡黙そうな男を演じていた親父と、澄ましてマダム風に装っていたお袋が、そんな会話をしているのだから。


俺は咳払いをする。







< 210 / 303 >

この作品をシェア

pagetop