極上御曹司からは逃れられない運命でした
「君の今後に期待しているよ。羽山真太郎くん」
そう言って司輝は私をその場から連れ出した。
「え、あの子大丈夫かな」
チラッと振り返ると真ちゃんはもう会場からいなくなっていた。
「大丈夫だ。あの目を見ただろう。きっと彼はこれから伸びるよ」
「え? だからあんな事言ったの?」
「彼はまだ分かってない。自分の立場も、会社の重みも」
立場も重みも…
「俺も昔は思った事あったんだよ。何でこんなに勉強しないといけないんだって。見ただろ? 壁の穴」
え、それでだったの?
「家出だって考えたよ本気で。里翔といろいろ悪巧みしてな」
里翔さんも?
「でも学ぶうちに気がついた。金の有り難みも、親の有り難みも。仕事のやり甲斐も。それからは自ら望んで努力したよ」
そうだったんだ…
「俺は欲しいと思ったものは必ず手に入れたいしな」
そう言って私を見下ろし妖艶さを含んだ顔をする司輝。
思わず息をのんでしまう。
「逃した魚は大きかった…ってならないように」
それはどっちの意味か…
家の事なのか私の事なのか。
「手に入れたら責任持って大事にしないとな」