極上御曹司からは逃れられない運命でした
「司輝さん」

改めて名前を呼ばれて柄にもなくドクンと心臓が波打つ。

「私は、お付き合いするならちゃんと愛し合ってると思える人と付き合いたいの」

俺は何も言えない。

「それから…、大人の関係をズルズル続けるような事はしないと決めてる」

なんだこのえぐられるような胸の痛みは。

まるで俺が…

「司輝さん、女を弄びたいなら他を当たって」

そう言ってバンとトランクを閉めて、店の中へと入って行った。

「待てよ」

俺もすぐについて行く。

「ちょっと! 何?」

「お前は? お前は俺の事どう思ってるんだ?」

「それは…」

「お前は俺が嫌いか?」

「嫌い…じゃない…けど…」

「俺もお前を嫌いだとは思ってない」

凛花は俺を見上げる。

その瞳は揺れていて何か嫌な予感がする。
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