極上御曹司からは逃れられない運命でした
抱ければいいと思っていたはずなのに、今はそれよりももう二度と会えない気がして…
それは嫌だと思った。
「何もしなくていいから…また会って欲しい。普通に飯とか…」
"側にいてまた笑顔を見せてほしい"
そう言ってしまいそうになり口を閉ざす俺。
「それも…だめか?」
凛花はまだ瞳を揺らし、何か断る台詞でも考えているかのように見えた。
「那子も…、那子も誘ってみんなでとか」
待て待て…
俺、必死過ぎるだろこれは。
「いや…悪い。帰るわ…」
急に我に返ってなんだか小っ恥ずかしくなる。
そして踵を返して店の扉に手を掛けた。
するとクイっとスーツの裾を引っ張られる。
え…?
肩越しに振り返ると、凛花が俯いたまま俺の裾をキュッと握りしめた。
「待ってよ…」
クソっ…
俺はそのまま何かに突き動かされるように、凛花の背中に手を伸ばして抱きしめてしまう。