極上御曹司からは逃れられない運命でした
そしてその後部屋まで連れて行って直ぐに空港に連絡を取る。

仕事上、航空機関とは密接な関係がある。

旅客機はどの程度融通が効くかはわからないが。

担当者に事情を軽く説明すると運良くチケットを手配する事が出来た。

「今から行くぞ」

ソファで縮こまる凛花を立たせる。

「え?」

「飛行機。手配できたから。俺も行く。だからしっかりしろ。無事を祈ろう。ほら、出発まで時間がない。急ぐぞ」

凛花の手を取り家を出て車に乗って空港まで向かう。

その途中も車内で凛花の手を握ると、僅かに握り返してきた。

「きっと大丈夫だから」

「うん…。ごめんね…」

「凛花。いいから」

「…ありがとう」

俺は返事の代わりにキュっとまた手を握りしめた。


大切な人の親だ。

俺にとっても大切にしたい相手だから心配だ。

どうかご無事で…

俺もそう願った。
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