極上御曹司からは逃れられない運命でした
まずい!

咄嗟に私は走り出す。

それでも呆気なく捕まってしまい、司輝の顔を見た瞬間に何故か涙が溢れそうになる。

司輝はそんな私を見て、心配そうに顔を覗く。

そして事情を話すと、なんと飛行機を手配してしまった。

しかも一緒に来てくれると。

聞きたい事は山ほどあったけど、なんて頼りがいのある人なんだろうと改めて感心してしまう。

それでもやはりパパ達が心配で手の震えが止まらない。

車内ではそんな私の手を司輝はずっと握り締めてくれた。

励ましの言葉と共に。

ママに時折り連絡するもやはり繋がらない。

居場所は電話で聞いたから大丈夫だとして、無事なのかもわからない。

なんの事件に巻き込まれたのかも。

ニュースにもまだ取り上げられていないようだった。

パパ達は今フランスにいる。

すると空港に向かってる最中、司輝の電話が鳴った。

ハンズフリーで話し出す司輝。

え?

これはフランス語?
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