極上御曹司からは逃れられない運命でした


私は英語しか話せないから、何を話してるのかはわからない。

でもずいぶんと流暢に話しているのだけはわかった。

そして電話を終えた司輝。

「今、フランスの知り合いに事件について聞いてみたけど、これと言って今取り上げられてる事件はないらしい」

「え? 聞いてくれたの?」

「ああ。テロとかそういうのは今のところないみたいだ」

「そ、そう…」

「病院に運ばれたんだよな?」

「うん…ママが言ってた…」

「今、そこの病院にも聞いてもらってるから」

そんな事まで…

そして空港に着いて直ぐにまた司輝の電話が鳴る。

すると電話をしながら急に笑い出す司輝。

私の手を握ったまま立ち止まって、今度は和やかな感じで話し出した。

え?

何?

関係ない話しでもしてるのかな…

そして電話を切った司輝。
< 84 / 303 >

この作品をシェア

pagetop