私は人を救うことが好きだった。
朝起きてスマホを確認すると、通知が二件。

どうせなんの嬉しさもない、お知らせみたいな通知なんだろうな。

そう思いながら、私はスマホを持つ指を動かした。

あ...え。

思いもしていなかった。二件の通知は、名も知らない人からのいいねとコメント。

初めての、コメント?

しかも、いいねもしてくれてる。

嬉しさより、驚きの方が強かった気がした。

でも、バクバクとしている心臓は、きっと喜びを隠しきれていないのだろう。

私は急いで通知をタップした。

「人は、人を救い、人から救われるんです。どちらか一方をやっているだけでも駄目。支え合って生きていくんです。」

「貴方は今まで人を救っていたけど、今度は救われる番なんですよ。じゃないと、綿毛みたいにいつの間にか心も失われちゃいますから」

私は気づかないうちに、コメントにいいねを付けていた。

それと同時に、スマホに水滴が垂れた。

そこで初めて、私は涙を流していることに気が付いた。

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