両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
そう疑問に思っていたことが、わかることになろうとは。

「それでだね。これを頼めないか」

人事部長からスッと色紙を渡された。
しかも四枚。
なんですか?
この白い紙は。

「あ、あの、これはっ!?」

こほんと人事部長は咳ばらいをした。

「しっ!声が大きい!実は娘がピアノを習っていてね。君のサインとあの三人のサインをもらってきてくれないか」

「は、はあ……」

「共演したんだろう?」

「どうしてそれを!?」

ススッと雑誌を見せた。
ま、また!!
まさか焼きもちやきの続き?
慌てて雑誌を広げるとそこにはこの間のコンサートの批評が書いてあった。
『天才少女と呼ばれた雪元千愛は彼女の得意曲ラ・カンパネラを弾いたコンクールを最後に我々の前から姿を消した。それも唐突に―――』
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