両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
明るい光が暗い部屋に差し込んで目を細めた。

「よかった……!」

唯冬は泣きそうな顔をして、私に手を伸ばすと抱き締めた。

「感動しているところ悪いけど、控え室へ行って、準備を早くしたほうがいいよ」

「気持ちを落ち着けないとね」

なぜか知久さんと逢生さんまでいた。

「あ、あの……」

肩越しに二人を見ると笑っていた。
唯冬はハッとして体を離し、息を吐く。

「応援にきたいって言うから、しかたなく連れてきた」

「忙しいのにありがとうございます」

「いいよー!今、いいものみれたし。感情的な唯冬とかなかなかみれないよ。いつもクールな俺ってかんじだしさ」

「珍しいね」

「うるさい。客席にいけよ」

二人は笑いながら手を振っていなくなった。
唯冬は控え室まで私を連れていき、髪を直し。服のほこりをはらってくれた。
倉庫にいたせいで、ほこりっぽい。

< 215 / 227 >

この作品をシェア

pagetop