両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
弾けなくなる今日の今日まで褒められることはなく、いつも難しい顔をしていたのを思い出す。
隈井先生は弾けなくなった私をピアノの練習室に呼んだ。
ここにいても意味がない私を。
それなのに隈井先生は私がまだ弾けるかのような質問をしてくる。
「雪元さんはどんな演奏がしたいのかね」
「正しい演奏です」
決まった音がなる。
これはシの音とか、ドの音だとか、頭の中で生活音までもが正解の音を探している。
いつも。
けど、その音も今は死んだ。
なにも浮かんでこない。
隈井先生はため息をついた。
「そうじゃない。ここだよ、ここ!」
初めて声を荒げて、ドンッと自分の心臓を手で叩いた。
「君の気持ちはどこにあるのかね!」
「私の気持ち……?」
両親が喜んでくれれば、それでよかった。
私の気持ちなんて誰もきいてくれなかったから、突然言われてもわからない。
隈井先生は弾けなくなった私をピアノの練習室に呼んだ。
ここにいても意味がない私を。
それなのに隈井先生は私がまだ弾けるかのような質問をしてくる。
「雪元さんはどんな演奏がしたいのかね」
「正しい演奏です」
決まった音がなる。
これはシの音とか、ドの音だとか、頭の中で生活音までもが正解の音を探している。
いつも。
けど、その音も今は死んだ。
なにも浮かんでこない。
隈井先生はため息をついた。
「そうじゃない。ここだよ、ここ!」
初めて声を荒げて、ドンッと自分の心臓を手で叩いた。
「君の気持ちはどこにあるのかね!」
「私の気持ち……?」
両親が喜んでくれれば、それでよかった。
私の気持ちなんて誰もきいてくれなかったから、突然言われてもわからない。