両親と妹はできそこないの私を捨てました【菱水シリーズ①】
ザアザアと雨が強くなった。
窓の外を見ると自転車乗り場で雨宿りしている生徒が数人いるのが目に入った。
以前なら、私のことは両親が車で送迎してくれた。
今は―――妹だけ。
価値のなくなった私を両親は捨てた。
家を出て祖父母と暮らし、電車通学をしている。
ピアノから自由になったはずなのに私の心は暗い部屋の中にいるみたいだった。
「わかりません」
私の答えは隈井先生を落胆させるとわかっていたけれど、正直に答えた。
「オズの魔法使いの話を知っているか」
「はい」
確かドロシーが仲間を連れて家に帰る方法を探すという話だったような気がする。
「君の演奏は心をもたないブリキだよ」
心をなくしたブリキの男。
隈井先生は私に否定してほしかったのかもしれない。
けれど―――
「そうですね」
否定できなかった。
最初はピアノが弾くことが楽しかった。
窓の外を見ると自転車乗り場で雨宿りしている生徒が数人いるのが目に入った。
以前なら、私のことは両親が車で送迎してくれた。
今は―――妹だけ。
価値のなくなった私を両親は捨てた。
家を出て祖父母と暮らし、電車通学をしている。
ピアノから自由になったはずなのに私の心は暗い部屋の中にいるみたいだった。
「わかりません」
私の答えは隈井先生を落胆させるとわかっていたけれど、正直に答えた。
「オズの魔法使いの話を知っているか」
「はい」
確かドロシーが仲間を連れて家に帰る方法を探すという話だったような気がする。
「君の演奏は心をもたないブリキだよ」
心をなくしたブリキの男。
隈井先生は私に否定してほしかったのかもしれない。
けれど―――
「そうですね」
否定できなかった。
最初はピアノが弾くことが楽しかった。