先輩はぼくのもの

偶然と必然


「詩先輩、なにかいいことありました?」

「へ!?な、なにもないよ!!」

「…ほんとに?なんか変だけど」


大学からの帰り道。
やばー。
あと1週間で想汰くんの誕生日だと思うと、自分のことのようにワクワクしてしまう。

プレゼントはもう買ったし、あとはどうやって驚かすかを考えるのみ!!


「ほんとになにもないってば」

わたし、、そんな態度に出てんのかな??


右側を見上げると、微笑みながらわたしを見る想汰くんが。


むり。
その微笑みがカッコよすぎて、失神しそう。



手・・・繋ぎたいなぁ。。



ぎゅっ

「え…」

そう思った瞬間、手を繋いでくれた想汰くん。


「ん??嫌だった?」

わたしが驚いたからか、少し不思議そうな想汰くん。


「嫌なわけないよ!!ただ…」

「ただ…?」


わー、なんか言うの恥ずかしいー!!


「わたしも…手繋ぎたいなって思ってたら繋いでくれたから…嬉しくて…」

なんだかすごくドキドキする。


「なにそれ、可愛すぎるんだけど」

そう言った瞬間、想汰くんはわたしにキスをした。


「わ!!今、外だから!!」

「かわいい先輩が悪いです」


あぁ…しあわせだ。


「ふふ…」

「なに?急に笑って」


わっ!
無意識に笑っちゃってた!!


「えっと…幸せだなぁと思って」

「え?幸せ??」

「うん。想汰くんとこうして一緒にいることが出来て幸せだなぁって噛み締めてたの」


すると、繋いでた手がパッと離れて気づけば想汰くんの腕の中。



「それはぼくのセリフです。ぼくが幸せなの」


耳も痛くなるような寒さ
なのに、今すごく暖かい。


それは、想汰くんの腕の中

そして


「…じゃあ、一緒の気持ちだね」


あなたと同じ気持ちだということの嬉しさがあるから。





・・・ん?


「わー!!」

冷静になって周りを見るとわたしたちを見ながら通りすがる人、人、人!!!


「恥ずかしいー!!」

「ちえっ気づいたか」

ちえって言いながら不貞腐れる顔もかっこ可愛い!!



「ほんと想汰くんとは偶然が多いね」

「え?」

「出会った時から色々偶然がたくさんあるなぁと思って。家が近いのも偶然だしね」

「…そうですね」

「神様に感謝しなきゃ!たくさんの偶然のおかげで、今こうして一緒にいれるもんね♪運命だね!」



・・・・
あれ?

想汰くんが何も言わなくなった。

わ、わたし何か変なこといった!?


は!!
調子乗って運命とか言ったから!?
重かった!?


「あ、あの!運命っていうのにそんな深いー…「すげー嬉しい」


そう言いながら想汰くんがわたしの右頬に触れる。


「“偶然”に感謝ですね」


そして優しく笑う。




「想汰くん、すき」

あれだけ恥ずかしがっていた外だと言うのに、わたしは背伸びをして想汰くんにチュッと軽くキスをした。
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