涙を包むラベンダー
彼との別れから1年が経った。

後悔の涙を枯らし終えた私は、
思い出のラベンダー畑への1人旅を決意した。

赤、白、ピンク、オレンジ、
鮮やかなマリーゴールドのじゅうたんを抜け、
紫の急斜面へ歩みを進めた。

ラベンダー畑の頂上へたどり着き、
ふもとを振り返ると、

逢月姫
「……わぁ………………!」



どこにも土色のない、
満開のラベンダーのじゅうたん。

緑が鮮やかな1本の大木。
地平線の彼方まで続く田畑。
雲1つない、原色の夏空。

逢月姫
「グス…彼と一緒に見たかった…な…。」

枯らし終えたはずの涙は、
私の唇に悲しみと笑みを連れて来た。

逢月姫
「…ありがと…。」
「こんな素晴らしい景色を教えてくれて…。」
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