涙を包むラベンダー
私の隣には誰もいない。
愚かに手放した幸せはもう戻らない。

それでも私は、彼と出逢わなければ
人生でここへ来る選択をしなかった。

失恋の痛みも過ちも、後悔の涙も、
穏やかな幸せも知ることはなかった。

逢月姫
「…いけない…日焼け止めを塗り忘れた。」

私が着けていたペンダントを外すと、
首元に細い跡が白く浮かび上がった。

これは彼との別れの日に
割れてしまったペンダント。

いいの。
これを着けるのは今日で最後にする。

今度こそ私は、
松葉杖と彼の支えがなくても、



1人で歩いていけるから。

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