君に出会ったその日から

1.

出会ってくれてありがとう。
私も君にそう言いたい。

私は今年で大学3年生になる白崎茉子(しろさき まこ)
私には愛田春希(まなた はるき)という同じ年の幼なじみがいる。
私達は同じ学部ではあるものの同じ学年ではない。とある事情から私が1年学校を休学したため同じ年でも学年は1つ下である。
今日も新しい1日が始まる。
「まこまこ おっはよー!」
この満面の笑みで手をブンブン振りながら近づいてくる男が幼なじみである。
「はいおはよ。いつもそんな勢いでこないで。びっくりする。」
「ごめんごめん。今日は体調大丈夫?」
「大丈夫、いつも聞かなくてもいいのに…でもありがと」
「まこまこがデレた。ツンデレだ〜そういう所も好き。」
「もういいから。遅れるよ行こう。」
私は幼い頃から病弱でいつも体調を崩すのでなにかと心配して毎日聞いてくる。そしてもう1つ、私は車いすを使って生活している。
これは私が幼い頃から抱えている脳性麻痺によるものだ。
私は時々ネガティブになってしまってひどい時には毎日死にたいと思った事もあったけど春希や友達に支えられてなんとか生きてこられた。
私は一応大学への登校は自分でしている。って言っても春希が毎日一緒に行ってくれる。
今日もいつも通り駅員さんにスロープを用意してもらって車両に乗るから時間がかかるのに隣で待っててくれる。毎日一緒じゃなくても大丈夫と言っても心配だからとなんやかんやで一緒に行っている。普段はなかなか言えないけど春希にはほんとに感謝している。
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