君に出会ったその日から
春希はそれを察して私の家庭の事情をかいつまんで説明してくれた。今まで両親がどんな状態だったか、それによって私はどうなっていたか…。
それを聞いたみんなはなんとなく察して驚きの表情を浮かべた。私の家族関係がそんな状態だとは思わなかったのだろう。
当たり前だ。今までそんな話はした事がなかった。
「あっこれ、私が聞いて大丈夫な話じゃないですよね。すみません!」
「いや、こちらこそごめんね。せっかく楽しかったのにこんな重い空気にしちゃって。」
「俺もごめん。何も知らないのに軽率な事言って。」
「ううん。海斗くんのせいではないから。謝らないで。」
「なんとなく分かったけどそんな状態で大丈夫なの?」
「いや、まぁ。分からないけど向き合うしかないよ。」
「じゃあもしどうしても耐えられなくなったら私の家に来なさい。いつでも泊めてあげる。」
「ちょっと!それは俺の役割なんだけど。」
「愛田の家は隣だしすぐばれるでしょ。今のところ私のことは知らなそうだし最後の砦として逃げるには最適じゃない。」
「うふふ。耐えられなくなったらお言葉に甘えるわ。ありがとう。」
「夏休み、どっか出かける予定でも立てる?」
「う〜ん。どうだろ。今のところまだ予定立たなくて。ごめんね。」
「俺も。」
「私も。」
「えぇ。みんな〜」
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