初恋の人は人気者

先輩の見る世界

先輩と会ってから1週間。

ほんとに毎日、電車で待っててくれる。


いつも私はドア側で、人から守ってくれる先輩。

あの日から私は、満員電車が嫌いじゃなくなった。


「今日も人多かったな」

「そうですね。先輩、大丈夫ですか?」

「ん、平気。雪は?」

「はい、大丈夫です!」


大丈夫すぎる。

守ってくれてるんだもん。


「あ、やべ!俺、忘れもんした」

「え!」

「先行ってて」


先輩は私の頭を撫でたあと、反対のホームまで行った。

ここまで来たのに…


先輩戻ってくるの待っててもいいかな…

迷惑かな…


とか、色々考えたけど待つことにした。

先輩ともう少し話したかったから。


1時間くらいして、先輩は戻ってきた。

私をみつけ驚いている。


「雪?なんでいる?」

「待ってました。迷惑でしたか…?」


やっぱり待つべきじゃなかったかな…


「いや、迷惑ではないけど」

「よかった」

「1限目ない日か?」

「いえ。サボりました」


玲奈ちゃんに連絡して、休むことを伝えた。

最近サボってばかりな気がする。
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