私の愛した彼は、こわい人
──どんなに甘い時間を過ごしたあとでも仕事中のジンさんは相変わらずだった。「神楽オーナー」の顔になる彼はまるで別人。未だに私も慣れない厳格さ。
「近日中にコース契約が終了する顧客リストを。阿川」
「はい」
朝のサロンミーティング。いつもの定位置でドカッと座るジンさん。
すっごい厳格で怖いには怖いんだけど……昨晩から早朝にかけての彼の甘えた姿とのギャップが激しすぎて。失礼ながらも、私は内心笑いを堪えるので必死だ。
「次回の施術でフェイシャルコース満期の客がいる。沢田様か。おい、アスカ」
「はい……えッ?」
あれ。今、名前で、呼ばれた……? がっつり仕事モードに入っているはずのジンさんに? もしかして口が滑った!?
店長もコハルも他のパートさんたちも唖然としてる。いや、コハルだけはなぜかニヤついてる!
ショックのせいか、一瞬頭がクラッとした。
ジンさんは何食わぬ顔でミーティングを進行させていく。
「アスカが沢田様の施術担当だな。次の来店時、コース継続希望の有無をお伺いしろ」
「は……ハイ」
「見込みはどうだ? アスカの感覚でいいから話してみろ」
「えっと、その……。沢田様は自宅ケアも頑張っていらっしゃいますし、毎回ここに来るのを楽しみにされています。裕福な方なので継続の見込みは充分にあると思います」
「わかった。継続の意思を聞き出したら、アスカが直接沢田様に契約更新の案内をしろ」
「わ、わかりました」
ちょっとちょっと。何回「アスカ」って呼ぶの!? やめてよ、恥ずかしいよ……!
「近日中にコース契約が終了する顧客リストを。阿川」
「はい」
朝のサロンミーティング。いつもの定位置でドカッと座るジンさん。
すっごい厳格で怖いには怖いんだけど……昨晩から早朝にかけての彼の甘えた姿とのギャップが激しすぎて。失礼ながらも、私は内心笑いを堪えるので必死だ。
「次回の施術でフェイシャルコース満期の客がいる。沢田様か。おい、アスカ」
「はい……えッ?」
あれ。今、名前で、呼ばれた……? がっつり仕事モードに入っているはずのジンさんに? もしかして口が滑った!?
店長もコハルも他のパートさんたちも唖然としてる。いや、コハルだけはなぜかニヤついてる!
ショックのせいか、一瞬頭がクラッとした。
ジンさんは何食わぬ顔でミーティングを進行させていく。
「アスカが沢田様の施術担当だな。次の来店時、コース継続希望の有無をお伺いしろ」
「は……ハイ」
「見込みはどうだ? アスカの感覚でいいから話してみろ」
「えっと、その……。沢田様は自宅ケアも頑張っていらっしゃいますし、毎回ここに来るのを楽しみにされています。裕福な方なので継続の見込みは充分にあると思います」
「わかった。継続の意思を聞き出したら、アスカが直接沢田様に契約更新の案内をしろ」
「わ、わかりました」
ちょっとちょっと。何回「アスカ」って呼ぶの!? やめてよ、恥ずかしいよ……!